株式会社Gear8
札幌から、世界10拠点に挑むWEBディレクションチーム
まずは、水野さんのこれまでのキャリアを教えてください!
生まれも育ちも札幌で、大学を卒業してから地元のホームセンターに就職しました。祖父が大工で、小さいころから木くずで遊んでいたりしたこともあってか、木材のバイヤーになりたいと思ったのが理由です。店舗に配属され、ロゴの入ったジャンパーにメジャーやカッターをぶら下げながら品出しをしたり、パートさんの出勤管理をしたり……。本当に、普通のサラリーマンをしていました。
デザインチームとかでもなく、ですか?どうやって今に繋がるんだろう。そのホームセンターにはどのくらいいたんですか?
丸3年です。当時、配属された店舗や部門の売り上げによって変わるボーナスがありまして、同期の間でどれだけ売り上げをあげられるかよく勝負していました。
一番目立つところに陳列する重点商品があるんですけど、やっぱりただ置くだけでは中々売れないんですよね。同期に負けたくないという一心で、それまで触ったことも無かったIllustratorやPhotoshopで見よう見まねに自作のPOPをつくったら、商品がだんだん売れるようになりました。どうすればお客様に見てもらえるのかを少しずつ掴んでいくような感覚で、その工程がすごく楽しかったんですよね。
もう少しデザインについて知りたい!と思ったので、ホームセンターで働きながらデジハリ(札幌のデザインスクール)に通い始めました。丸と三角と文字くらいしか使えなかった所から、だんだんIllustratorでできることが増えていったのですが、そのくらいのタイミングで自作POPが禁止になっちゃって。
ええ!切ない!
ただデジハリに通っている1年弱の間に、ぼんやり「デザインの仕事につきたい」と思うようになっていました。
元々木材のバイヤーになりたいと思って入社を決めたにも関わらず、会社の体制的にそのポジションに付けるのは20年後くらいになるんじゃないか、と言われてしまったのも同じ時期でした。さすがに40代になるまで待つわけにもいかないし、それならと見切りを付けてデザインの道に進むことに決めたんです。
そんな経緯があったんですね。そこから、どこかデザインの会社に就職したんですか??
いや、最初はデジハリに通いなおすところからスタートしました。2005年あたりからWEBが流行り出していたけれど、自分には紙のデザインの知識しかなかったので、グラフィックも紙もわかっていれば少しは潰しの効くデザイナーになれるかな、と思ったんです。
半年のWEBデザインコースを受講してから転職活動を始めたんですけど、デザイン業界って飛び込むためのハードルがものすごく高いんですよね。「どんなことをやってきましたか?」と聞かれても、出せるのは自作のPOPだけ(笑)。
デジハリの掲示板にあった3カ月の短期アルバイトデザイナーの求人に手をあげて、とりあえず働き始めることはできたんですけど……。入ってみたら、業務内容は延々とポスターのカットだったんです。切って、丸めて筒に入れて、チャリで取引先にもっていく仕事。でも結局、アルバイト期間が終わった後その会社に就職しました。
えー!ポスターのカットとは......。そこは紙のデザイン会社だったんですか?
経営コンサルの会社でした。いろいろな部署がある中のデザイン部みたいな所で。
全然わからない......(笑)
本当にその通りで、デザイン会社ではないコンサルティングファームで働いていると言っても、何者かよくわからないじゃないですか。
会社には2年くらいいたのですが、デザイナーになりたいのにこのままではコンサルタントのカット職人(笑)。何か行動を起こさないとダメだ!と思い、会社の近くの行きつけの居酒屋で「札幌のデザイナーと知り合いたいです!」ってテーマのイベントを開いたんです。超わがまま企画だったけれど、40人くらい集まって。
40人ですか?!
ようやく札幌のデザイン業界が見えてきた!とテンションが上がったのを覚えています(笑)。
そのタイミングでもまだ転職先が見つからず独立しようとしていたのですが、当時の勤務先の常務の紹介で、新設するWEBマーケティング会社の立ち上げに関わることになり、結局そこでも2年半くらい働きましたね。
デザイナーとして入ったんですけど、ディレクターがいなかったのでデザインをしながら徐々にディレクターの仕事も担うようになっていきました。思い返すと、ホームセンターを辞めてからどこかの会社に落ち着いたことが無いんです。大体2年おきくらいに場所を変えて働いていました。
そこから、とうとう独立。
はい。でも、独立してすぐは仕事が無かったので上海に行っていました。元々いたマーケティング会社が上海で新しく会社を立ち上げるので、そこのプロマネとして入ってほしいと言われて。10日上海、10日東京みたいな生活を送っていましたね。
波乱万丈ですね......。その後は札幌に落ち着いたんですか?
そうです。上海の仕事自体は1年で期間が終わったので、その後はずっと札幌。金無しコネ無し学無しだったので、どんな仕事もとりあえず手を挙げる、みたいな毎日でした。
2008年に独立して、だんだん仕事をいただくようになって法人化をしたのが2009年。そこから少しずつ、1年に1人か2人ずつくらいのペースで人を増やしていって、今日に至ります。
そんな紆余曲折を経てできたGear8について、どんなことをしている会社か教えてください!
多いのはWEBサイトやWEBのメディアを作る仕事ですが、これ!と決まっているものはありません。WEBを作ったり、紙媒体をデザインしたり、コンセプトワークを作ったり……。
うちの会社のどこの面と接しているかでクライアントの方の印象は違うと思うのですが、Gear8がホームページだけ作っていると思っている会社はあまり無いんじゃないか、と思っています。
個人的に気になったんですけど社名の由来って何なんですか??
いやーーそれがよく聞かれるんですけど、「不況に強い社名」と調べたら出てきただけなんですよね(笑)
不況に強い......??
独立した当時リーマンショックの真っ只中で、潰れない社名はないかと調べたら出てきたんです。どうやら濁点と母音がつく名前が良いらしく、選んだのが濁点のつく「ぎ」と、母音の「あ」。末尾の数字は、末広がりの「8」みたいな。
本当、超安直につけた縁起を担いだ名前でしかないんですよね。
ちょっと面白すぎます(笑)。でも確かに、音的にも視覚的にもキャッチーですよね。
わかりやすい数字やキーワードが入っていると、たまたま着いた席や、たまたま選んだ地下鉄の番号、たまたま選んだ何かと紐づいて、日常の中にラッキーを見つけやすいんです。
Gear8のフィロソフィーの中に「ラッキーを信じる。」というのがあります。忙しくていっぱいいっぱいで、そういう感度が高くない日にも偶然見つけて喜ぶことができる。適当に付けたのは本当だけれど、今は数字を入れて良かったと思っています。
Gear8さんはタイや台湾にも進出されていると思うのですが、海外展開はどういった経緯だったのでしょうか?
もともと上海の仕事をしていたくらいに海外が好きだったので、いつか拠点を作りたいという気持ちを独立後も抱いていました。立ち上げから5年くらいは国内の仕事に手一杯だったのですが、少し落ち着いて仕事を回せるようになってきた2014年頃、海外展開の準備を始めることにしたんです。
いろいろな地域の市場規模やGDPなどをひたすらリサーチして、海外で働いている先輩にエリアあたりの特性みたいなものを聞きまくっていました。でも、ある人に「小さくやっているんだからどこでも食べていけるし、好きで一生住めそうな場所に出した方がいい。」と言われてハッとして。
いくつも見て回った中で一番良いと思ったチェンマイにオフィスを借りることに決め、2年くらいかけて準備をして出来たのがGear8 Thailand。2016年にバンコク、チェンマイの2拠点になり、現地で法人化しました。
そこから海外行けるぞ!と思い、2017年に台北にオフィスを借りて、翌年法人化。次はカオスな国で仕事がしてみたいと思って、2019年からはカンボジアに行き始めました。教育や、デジタルインフラの体制がまだ十分でなく、これまで訪れてきた国とはぐっとイメージが違う。何度も通って、法人化の足がかりを作っていた頃にコロナの影響がきてしまって。
実は北海道独自の緊急事態宣言が出た2020年2月にもカンボジアにいたんです。「帰ってこーい!」と言われて慌てて帰国してからは、ずっと札幌にいます。本当は2020年の4月にオフィス契約するつもりだったんですよね。
海外法人は、現地の仕事を営業して取りに行くんですか?
仕事の取り方は、国に依って異なります。タイに関して言うと日系企業や日本人コミュニティが多いからその中で仕事を作れたら、と思い日本人駐在員を置いているし、台湾は逆に日本人コミュニティが少ないので、台湾人のマネージャーにお願いしてローカル企業と仕事をすることが多いです。
海外展開をする時は、まずその国に3カ月くらい住んで町をぐるぐる歩いてみたり、どこのエリアが栄えているのか、流行りの音楽やデザインなどを知るために現地のコミュニティーになるべく入り込むようにしています。日本からネットを使って調べきれない情報を、とにかく人と会って集めるようにしていますね。
デザインの感性が、国によって違っていたりするんでしょうか?
国ごとに好みの写真のトーンやその時々の流行りはあっても、色味やレイアウトでこの国は絶対こう!という国柄はありません。国民性みたいなものは、きちんとした境がある訳じゃなく、グラデーションのようになっていると感じるんです。
その国で提供されているサービスの特徴やトレンドは抑えていく必要があるけれど、変に国と国の垣根を高くせず、そのグラデーションのような各地域の特性を重ねると面白いクリエイティブができるんじゃないか、と考えています。
それはすごくワクワクします!
海外で仕事をするのに、現地に極端に迎合しない、というのは特に意識していることです。僕らも「日本人はこれが好きでしょ」と言って出されるものは、何となく素直に受け入れににくいですよね。単純に僕らが作るのはこういうもの、と示したデザインがハマれば一緒にやればいいし、合わなければそれもそれで良いと思っているんです。どこまで寄り添うかはもちろん考えるし、その駆け引きが難しいけれど、ここは今でも手探りで進めているところです。
クライアントの求めるニーズやシチュエーションは5年10年という短いスパンで変わっていきます。僕らは僕らの良いと思うものを作り続けながら、日本でも海外でも時代の流れを敏感に捉えていかなければいけない、という考えです。
正直、札幌から東京を飛び越え世界に挑んでいる会社の存在は、すごく嬉しいです!水野さんが札幌を拠点にし続けるのはどうしてでしょう?
東京に出ないの?と聞かれることはよくありましたが、独立してすぐ東京で仕事を受けた時に、担当者の人に「北海道は安いし、日本語が通じるから良いですよね」と言われたことを覚えています。なんか嫌だな…..と思った当時の印象がそのまま残っているのかもしれません。
地元だからというのもあるけれど、札幌の規模感や、ゆるさが結構好きなんですよね。月並みですが住環境は良いし、仕事も沢山ある。ここをベースキャンプにしていれば、外からどんどん面白い人材も入ってきます。人口が多かったり、すごく稼いでいたり、東京には箱としての魅力があるけれど、内側に魅力的な人が沢山いて、結局それが箱の魅力になっているのが、札幌という街だと感じています。
ここ10年、20年の間で、札幌の変化を感じることはありましたか?
個人で仕事をするのに最適な街になってきているような気はしますね。圧倒的な大企業が無いからか、一つの会社に仕事が集中するようなこともないですし、みんなが個別に立ってやっていける環境だと思います。独りでやっている人の粒がたって見える感じは、僕が独立したときとは違うことかもしれません。
札幌は、海外からの人気も高いですよね。チェンマイにノマドとしてフランス人やドイツ人が多く集まっているように、札幌も外国人フリーランスを受け入れて、ノマドの聖地みたいな街になったら面白いことが起きそうだな、と思っています。
ありがとうございます!では最後に、Gear8でこれから挑戦してみたいと思っていることがあれば、教えてください!
海外展開は正直まだやり切れていない感覚が大きいので、日本を含め10拠点を作って、いろいろな国の特徴を混ぜたクリエイティブを作ってみたいです。
タイの感性が入ったり、台湾のデザインが入ったり。日本の仕事を日本人が関わらずに作るとか、マレーシアの仕事を日本人がエンジニアリングしたりするのもいいですよね。一個の仕事を多国籍でみんなで作れるような状態をつくることが最終的な目標です!
〈業務内容〉
受託がメインの会社なので、お客様からの相談を聞きに行って、企画、提案、見積もりを出すのもディレクターの仕事です。実際受注できれば、制作チームのスケジュールを立てて進行管理をして、最終チェックやお客様に渡した後のメンテナンスまで担当しています。
〈会社の雰囲気〉
総じてゆるいんじゃないかなぁ。代表の水野にもみんな気軽に意見を言っているし、そういうことができる自由な環境はGear8の魅力の一つだと思います。
〈興味を持っている方へメッセージ〉
やりたいことがあれば、何でもチャレンジさせてもらえる環境です。今はコロナで難しいかもしれないけれど、例えば海外の仕事に混ざることもできるし、映像がやってみたいと言えば会社の仕事として取ってきて業務に組み込むこともできます。
ディレクションの経験があって、何でもやってみたい好奇心旺盛な人には向いている職場。もちろんやりたいことが決まっている人も会社にできる範囲で応援してもらえるので、’’めっちゃ優秀なディレクター’’の方、ぜひご応募お待ちしています(笑)。
株式会社Gear8
Webディレクター
正社員(試用期間3カ月※期間中も条件に変動はありません)
月給250,000円~
・昇給制度あり 年2回
・期末賞与あり
・保険(健康保険、雇用保険、労災保険)
・年金(厚生年金)
・交通費補助
・産休育休制度(1年、延長可能)
・インフルエンザワクチン
・健康診断
・シャッフルランチ補助
・映画鑑賞補助(月1本、自己負担500円)
クライアントからの相談に対して適切なヒアリングを行い、ウェブサイト制作に必要な要素や業務の全体像を見ながら品質の管理と進行管理を行っていただきます。
時にはブランディングや商品開発まで深く関わったり、自ら手を動かしてワイヤーフレーム(設計図)を引くこともあります。
幅広い業務に挑戦し、クライアントと長期的な信頼関係を築くことで、より発展的なウェブコミュニケーションを創造していくやりがいがあります。
また、国内外どの拠点をメインに働いていても、将来的にはアジアの各拠点を行き来しながらスキルを磨くチャンスがあります。
【仕事内容】
・クライアントのヒアリング・要件定義
・ウェブサイト制作に関わるディレクション全般
・必要に応じて紙媒体やCI等も含むデザインワーク
※ご経験・スキルやご希望によってお任せする範囲は異なります。
ぜひ面接であなたのやりたいことを教えてください。
北海道札幌市中央区北3条東東5丁目5 岩佐ビル 1階
地下鉄東西線「バスセンター前」駅から徒歩約10分
9時30分~18時30分(休憩1時間)
残業月平均30時間
完全週休2日制(土・日)
祝日
年末年始休暇
夏季休暇
慶弔休暇
有給休暇10日~20日(入社半年経過後に10日を付与)
産前・産後休暇
育児休暇
・札幌オフィス(勤務地)に出社できる方
・選考において実技課題に取り組んでいただける方
・企画や設計が得意で、プロジェクトやチーム全体を俯瞰して考えることのできる方
・コミュニケーションに前向きで、年齢を問わずいろいろな人と話せる方
・自主的に学ぶ意欲のある方
・好奇心を持って自分で手を動かし、わからないことは積極的に質問してくれる方
・他業種で高単価のセールスや営業企画の実績がある方
・海外放浪やユニークな挑戦といった他にはないエピソードをお持ちの方
※Photoshop/Illustratorを用いてのデザイン実務経験あれば尚可
※実務経験3年以上あれば尚可
期間なし
1名
応募/書類選考
面接
実技課題
内定