株式会社 MILE SHARE 森田 宣広

航空業界の革命児。札幌から世界へ、カッコいい背中の“魅せ方”「株式会社 MILE SHARE」

COMPANY

株式会社MILE SHARE

「世界をもっと小さく」をビジョンに掲げ、世界中の航空会社のマイルやポイントをシェアするサービス「マイルシェア」を立ち上げる。サンフランシスコのTechCrunchイベントのノミネートや、国内外数々の受賞歴もある北海道発グローバルサービス企業。

PROFILE

人物紹介/森田 宣広

屯田中央中学校卒業後、3年間の現場作業員を経て、携帯電話業界の営業に転職。2005年に(有)マーケットエンジニアを設立、ドコモショップ運営、デジタルハリウッドSTUDIO札幌校運営、Webシステム開発業、広告代理店業、不動産業など事業は多岐にわたる。2015年持株会社IRGホールディングスを設立。2018年株式会社MILE SHARE設立。共同創業代表。シリアルアントレプレナー。エンジェル投資家としても活動を行なっている。

みなさんこんにちは!札幌シゴト図鑑編集長の五十嵐です。

今回は、MILESHAREの森田さんにお話伺ってきました。札幌からね、本気でグローバルを狙えるスタートアップが、出てきてるんです。なんと航空業界で。

北海道を行き来する方なら、絶対に知っておくべき企業でありサービスなんで、チェックしてみてくださいね。だって、安く飛行機が乗れるのですから!!!

現場で培ったビジネスの空気感

まずは森田さんのことを伺ってもいいですか?

札幌の中学校を卒業後、3年間ほど、建築の現場で働いていました。もともと、氣志團みたいな格好でバイクに乗ってまして(笑)。世代的にも尾崎豊リスペクトな感じで、思いっきりやんちゃしていました(笑)。高校に行くっていう選択肢がそもそも出てこないような環境でしたね。

え?(笑)そんなヤンキー世代なんですか?森田さん今おいくつですか??

40です。俺らくらいの年齢が「ヤンキー」と呼ばれる最後の代ですかね。

ラストサムライですね(笑)。

このままじゃまずい!と思っていた19歳の時、一緒にやんちゃしていた先輩に誘われたのをきっかけに転職して携帯電話の営業を始めたんです。当時はすごく稼げたんですよね、すぐに月に100万とか。半年程経ってから、このまま雇われていても仕方がないと思ったので、昔からの仲間を集めて同じく携帯電話の販売をする会社を立ち上げたんです。結構会社の名前は売れていたんじゃないかなぁ。25歳くらいの時に解散して、その後自分でイチから携帯会社を立ち上げました。

転機になったのは2001年にはじけたITバブルですね。あの頃お金を持っていた先輩達が面白いくらい一気にいなくなったんですよ、それも半年一年くらいで。当時はクレジットカードの文化は無かったから、先輩達はアタッシュケースに〇〇円くらい持ち歩いて遊んでいたんですけど、本当にみんなどこにいったんだろう?って思いましたね。

うわー、そんな時代が合ったんですね。

当時はまだ携帯電話の事業も調子が良かったけれど、バブルみたいになにか一つのきっかけで崩れてしまうならリスクヘッジもしないといけないと考えて1つの業種だけではなく、さまざまな事業を始めていきました。

マイルシェアが生まれたのはどういう経緯だったんですか?

ホールディングス化して、さまざまなビジネスを6.7社やった後、今後このまま生き残っていけるのか?と考えた時に、グローバルに大きく展開できるスタートアップを立ち上げたいと思ったのが2016年。その時はITのことも全く分からなかったので、とりあえずシリコンバレーに行ってみたんです。

アメリカは基本的に「やったもん勝ち精神」。向こうではUberやAirbnbがすごく流行っていた時代で、時価総額も1~2兆円くらいになっていました。たとえばUverは当時、ニューヨーク州も許可していないし、既存のタクシー会社からも裁判を起こされていて、違法なビジネスモデルと呼ばれていたのに、なぜこんなに時価総額が高く、投資が集まるのか、と考えさせられました。

結局、ユーザーが便利だと思ったから広く使われている、っていうシンプルな話なんですよね。その上なら法律も批判も関係ない。そういうアメリカナイズな発想に感化されて、3カ月に一回はシリコンバレーに通うようになって、人脈を作ったり、情報収集をしたりしていました。

結構な頻度でアメリカに行っていたので、飛行機代もバカにならないじゃないですか。マイルを使って飛行機代を安く済ませたいけど、マイルって無限にある訳じゃないですよね。そこで「マイルってシェアできないんだっけ?ホントにできないの?やっちゃえばいいんじゃないの?」そんな風に思った単純な発想がきっかけです。

 

今でも、マイルシェアって検索すると何番目かに「違法」って出てくるんです(笑)。でもそのくらい思われるモデルの方が面白いと思っています。できないと勝手に思いこんでいたり、もしかしたら違法かもしれないって思われているものは誰もがやらないブルーオーシャンだと僕は思いますね。それで、2016年から構想をして、2018年にサービスローンチ。今年で3年目になります。

航空業界のUber、マイルシェア

ずばり、マイルシェアとはどんなサービスですか?

シンプルに言うと、安く飛行機に乗れますよ、っていうサービスです。今までと違う新しい飛行機の乗り方、他の人からシェアしてもらったマイルでお得に乗れますっていうものです。

 

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※編集部より
国内では、ANAもJALも、マイルを他人にプレゼントしたり、販売することはできません。

しかし、海外に目を向けると、米国系を始め大手航空会社は、特典航空券を他人に譲ることが可能となっています。

実は、JALはワンワールド、ANAはスターアライアンス、というグループに所属していて、

グローバルのグループ内では、マイルで他の航空会社の特典航空券を発券することが可能。

マイルシェアで航空券をリクエストすると、その裏では、海外でマイルを大量保持しているマイラーとのマッチングが行われて、海外のマイルで発行したJALやANAの航空券が手に入る仕組みになっています。わお!
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サービスインは日本から始めたんですよね?

はい。ただ元々日本じゃなくて、北米の市場で戦うつもりで作っていたんですよね。それだと初期費用がかかりすぎるから、最初に日本で開始してからアメリカに持っていこうとしています。来週TechCrunchの本家サンフランシスコのイベントに、マイルシェアが出るんですよ。

やっぱり日本でサービスをやってみると、ある種のやりづらさは感じていたし、日本って本当イノベーションが起きにくい国だと思います。世の中に無いものを作るのがイノベーションだと言っている割に、モデルケースが無いから出資できない、と言われたりすることも多いですしね。

マーケットのトレンドでいうと、この1、2年SaaSモデルが流行っているのは、たぶん事業をパパッと大手に売ってキャッシュにできるからだと思うんです。でもそれだとただのマネーゲームになってしまう。それ自体は悪いことではないんだけど、このままでは世界に勝てないっていうのはひしひしと感じていますね。

マイルシェアも「そんなことをしたら航空業界に叩かれるんじゃない?」みたいに言われて終わり、っていうパターンほとんど。もちろん叩かれるかもしれないけれど、それで諦めてしまう、みたいな部分は変えていかなきゃいけないと思います。

マイルという航空会社のルール上に立脚する不安はないですか?JALやANAからNGがでたら国内でどうしようもなくなったりとか。

航空会社はユーザーに喜んでもらうためにマイルを発行している。マイルシェアとしてはそれを流通させることの何が悪いんだろう、というスタンスなんです。万が一それで航空会社が損を被るって言われても、ちょっと意味がわかんないなと。

例えて言うなら、僕たちは航空業界のUberのような感覚で、いずれ時代は来ると信じています。こちらも航空会社を敵に回している訳じゃなくて、ある一定の量を流通させ続けているだけなんです。

実は、結局世の中のユーザーが保有している全てのマイルは使えないんですよ。僕たちが100%マイルの席を取ったとしても、1フライトでマイルが適用できる席は5%くらいしかないんです。元々枠としてあるモノを僕たちが埋めているだけなので、航空業界的は別にNGじゃないんです。

Uberだって、タクシー業界を敵に回すことが本当にできるんだろうか?って言われていたんです。Airbnbならホテルとかの宿泊業界ですし、マイルシェアの場合、相手は航空業界。日本は今ある既存のモノを守っていく雰囲気があるから、もちろん成功するためのハードルはすごく高い。でもそれこそUberに出資した投資家達が僕たちに興味を持ってくれたりしたら面白いなぁって思います。実際、アメリカでマイルシェアの話をした時に「ハードルすごく高いけど航空業界もUberみたいになればいいのに」と言ってくれる人もいて嬉しかったですね。

今後の展開について聞いても良いですか?

今の状況から進んでいくと、中堅や大手問わずに旅行業界自体がかなり衰退していくと思うので、業界再編が必ず起きると思っています。なので今はスタートアップがアクセルを踏むタイミングだと捉えています。来年再来年あたりがチャンス。あとはアメリカでの事業展開ですかね。どのタイミングでリリースするのがベストか検討している最中です。近いうちにコロナのワクチンも出ると思うので、それを見据えて事業計画を練って、日本の市場で大きくポジションをとってからアメリカに仕掛けるスケジュールでいます。札幌から世界を変えられるんだってことを証明します。本当に。

札幌で続けている理由って何なんですか?

札幌からでも世界はとれるから、この背中を見せたい。「見とけよ」って。ここでそのカリスマ的ポジションを狙っています。シアトルが人口70万くらいの都市なのに、スタバ・マイクロソフト・アマゾンの三社で2兆円持っている。そこに2兆円の企業ができるんだったら、札幌でもできるんじゃない?人口で議論できる訳でも無いけれど、でもそういうことなんじゃないかと思うんです。人モノ情報が足りない札幌で始めるなら、情報はどこかかしらに取りに行かなきゃ行けないとは思います。ただ札幌でも絶対世界は目指せる。その背中を見せるためにマイルシェアは札幌にあります。

札幌にいることのデメリットもありますよね?

情報がないし、スタートアップのエコシステムが無いし、営業先も無い。僕自身札幌にいる時間は減ってます。講演とか経営者の集まり、できることが少ないのは事実ですね。それでも、拠点は札幌に置いて「背中を見とけよ!!!」っていう姿勢は変わらないです。

北海道発!北海道初?!世界に轟くサービスをつくる、社内とは?!

社内は、どんなメンバーで、どういう働き方をしているんですか?

社員が八人いて、ほとんどリモートワークです。11月に今のオフィスも引き上げて場所を移す予定です。

リモートワークでも会社は回っています?

コロナになった時に、さすがに開発が遅れるかな?って思ったけど全然遅れなかったですね。むしろオフィスって必要かな?!って話にもなりました(笑)。国際線が元通りになったら俺はとりあえずアドレスホッパーになろうと思っています。

ホールディングス化して、社員に子会社の社長を任せていく森田さん、社員さんのエピソードも聞きたいです。

今の副社長の大下は特殊。中学校くらいからの古い付き合いだけど、奴が一番謎です(笑)。いまだに大下がなぜ僕と一緒に仕事しているのかがわからない。大下がどこに住んでるかもあんまり知らない。

お笑いコンビっぽくないですか?お互いのLINEも知らないみたいな。

そうそう、確かにLINEも少し前まで知らなかった(笑)。二人で飯を食いに行ったのも数回。 でも信頼しかしてないです。

おもしろいですねー(笑)。

基本的に採用は95%くらい社員に投げていますね。会社を自分の所有物みたいに言う社長は多いけれど、社員が一人もいなくなったら社長じゃないんだし、社長の会社じゃなくてみんなの会社。そうすると採用権も社員に渡すべきだと思っていて、実際その方が良い結果がでている。みんなには相当自由にやってもらっています。多分社内で一番腰低いんじゃないかなぁ、俺。

今はどんなメンバーを募集しているんですか?

開発とマーケティングが強い人を探しています。あとは旅行とか航空業界の会社経験者ですかね。マイルシェアって、旅行・航空業界の経験者が一人もいないんです。もうそろそろ業界のことを良く知っている人がいた方が良いよね、っていう。今後法人向けのプランも作る予定なので、法人向けプランの企画や営業ができる人も欲しいですね。

これから、どんな未来を描いていますか?

コロナが良い追い風になってくれるんじゃないかと思っています。さっきも言った通り業界再編っていう意味で。必ずバブルはまた来ます、3年後くらいに。その時に新しく増えた需要の受け皿をどれだけ用意できているかが勝負です。

 

札幌のシーン的にも追い風じゃないですか? フリーランスの人は移住を始めているし、どこで働くかがより自由になってきている中で、もっと変な奴を北海道に引っ張りこみたいですね。

Photo by 脇田唯
Writer いけだみほ

RECRUTING

株式会社 MILE SHARE

募集職種

①RPAエンジニア
②サーバーサイドエンジニア

仕事内容

①RPAエンジニア
crawling、scrapingによる情報収集プログラムの開発およびデータ分析やRPAツールの開発をおまかせします。

②サーバーサイドエンジニア
MILE SHAREのサーバーサイドアプリケーション開発をお任せします。

勤務地

札幌
※リモートでの業務応相談。その場合、居住地は札幌に限りません。

必須条件

①RPAエンジニア
・Pythonを用いた開発経験。
・crawling、scrapingによる情報収集および分析経験。
・実務経験3年以上

②サーバーサイドエンジニア
・Ruby on Railsを用いた開発経験。
・Gitを用いたワークフロー経験。
・事業会社にて自社サービスの開発、保守経験。
・上記事業会社での実務経験3年以上 または 個人でのサービス立ち上げ、運営経験などあれば左記条件を満たす必要はありません。

歓迎スキル

①RPAエンジニア
・RPAツールの開発経験。
・機械学習技術や深層学習技術を用いたデータ分析経験。

②サーバーサイドエンジニア
・AWS、GCPでのインフラ構築経験、IaaS, PaaS, SaaSを用いた開発経験。

開発環境

・MacbookPro支給
・モニタ支給