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2021.08.04

「覗いちゃう?札幌コワーキングコミュニティ最前線!」イベントレポート

「覗いちゃう?札幌コワーキングコミュニティ最前線!」

先日6/24(木)に「覗いちゃう?札幌コワーキングコミュニティ最前線!」を SAPPORO Incubation Hub DRIVE (以下、DRIVE) のイベントスペースにて開催いたしました。すごくそそられるタイトル…!

1時間半の中で、多様な働き方の提供や新しいアイデアが生まれる場ともなっているコワーキングスペースの魅力やこれからの札幌のコワーキングスペースの未来を探りました!

(ライブ配信のURLはこちら!https://fb.watch/v/134Y0Dsyz/

それでは、今大注目の es Village、EZOHUB SAPPORO (以下、EZOHUB)、DRIVE のコミュニティマネージャーお三方をお招きしたここでしか読めないトークセッションレポートをお楽しみください!

人物紹介

①鈴木慎也(すずき しんや)

es Village プロジェクト |  村長
株式会社esエンターテイメント |  代表取締役

札幌初となるバーテンダーのカクテルパフォーマンスが楽しめるお店「Flair bar es」を24歳の時に開業。その後も「オモシロく、カッコよく」を理念に、エンタメに特価したスタイルの飲食店を札幌市内に複数店舗経営。

2020年9月より、コロナ時代に生き残る『参加型飲食店』es villageを開村。

②伊藤享祐(いとう きょうすけ)

EZOHUB SAPPORO |  Community Manager
サツドラホールディングス株式会社 |  社長直轄グループ CIチーム
サツドラ公式YouTube『サツドラ超TV』 |  プロデューサー
えぞ財団  |  団員

1988年北海道札幌市出身。2011年サツドラに新卒入社。店舗スタッフ→店長→採用担当→組織開発→広報などを担当し、現在は社長直轄グループCIチームとしてサツドラ公式Youtubeチャンネル「サツドラ超TV」の企画、編集やEZOHUB SapporoのCommunity Managerを担当。

③高輪健人(たかわ けんと)

SAPPORO Incubation Hub DRIVE |  Community Manager
株式会社 大人 |  Community Manager
Fanfare -あびら起業家カレッジ-  |  Program Manager

1993年北海道札幌市出身。アイルランド共和国 国立トリニティ カレッジ ダブリン大学卒業後、(株)大塚商会 マーケティング本部、WeWork Japan ブランドマーケティング、Fun Group Inc. 海外事業開発を経て、2021年3月、北海道にUターン。現在はSAPPORO Incubation Hub DRIVE にて コミュニティマネージャー をしながら行政や民間と場づくりや教育の文脈でプロジェクトベースで関わる。

④長幸絵子(ちょうさえこ、モデレーター)

2001年北海道札幌市出身。高校時代から学生団体やNPO法人での活動を始め、現在はSAPPORO Incubation Hub DRIVEでコミュニティスタッフとして働くほか、学生の地域格差を解消すべくオンライン市民大学”ミカタバ大学”の企画運営やU25向けスタートアップ支援コミュニティ”Spread”の運営に携わり、広報担当としても活動している。

それぞれのコワーキングスペースについて深彫り!

多種多様なコワーキングスペースの魅力

長:それぞれのコワーキングスペースについて詳しくお聞きしていきたいと思います。鈴木さんから具体的に魅力と共にお話していただければ。

鈴木:es Villageは飲食店がベースとなっております。飲食店のスペースの半分をes Villageの村と称して、仕事しに来てもいいし、寝に来てもいいし、お腹すいていたらご飯食べに来てもいいし、お酒飲みに来てもいい。自由に使えるスペースとして開放しているのがes Villageになります。

伊藤:サツドラの本社にあるEZOHUB は去年の10月にオープンしました。元々サツドラの北8条店というお店が昔からあったんですけど、そこを取り壊して1階に北8条店、2階にインキュベーションオフィスのEZOHUB、3階がサツドラの本社になっています。EZOHUBの最大の魅力が大きさ。3000平米、1000坪くらいあって、かなり広いです。その真ん中にブックラウンジと呼ばれる本棚があります。そこには約3000冊の本(江別の蔦屋書店のようなイメージ)。「知の集積」ですね。そこでいろいろと学ぶことができるというのがEZOHUBの最大の魅力ですね。人と人がつながる場としても今後広げていきたいなと思っています。

高輪:SAPPORO Incubation Hub DRIVEはオーナーが「北海道新聞社」さん、運営が「株式会社 大人」のコワーキングスペースです。イベントスペース、コワーキングスペース、シェアオフィス、ミーティングルームがある施設となっております。最大の魅力としてはパートナーとして、STARTUP CITY SAPPOROさんが入っている点です。起業したいけれども、どういうことを相談すればいいんだろうってときに無料の相談窓口があるのは大きな魅力なのかなと思っています。

コワーキング内の交流ってどんな感じなの?

長:コワーキングスペースって実際どんな交流が起きているんですかね?

鈴木:僕は村長という役割を取っているので、村民が悩んでいたらいつでも村長に相談できる仕組みを取っています。静かに集中できるという価値を持っているコワーキングスペースもありますけど、僕は入村してくれる方には必ず「うちちょっとうるさいんですけど大丈夫ですか?」っていう話をしています。ビジネス的に話すと、他愛もない会話の中に新しいアイデアだったりイノベーションがあると思っているので、いかに自然な会話をしてもらうかってところを注力してます。

長:具体的に交流を生み出すイベントだったり、交流会的なものって開催してたりしますか?

鈴木:うちは、今はできないですけど、村人さんしか使えない秘密のバーに夜な夜な集まったりできます。すすきののマクドナルドが入っているビルの最上階でやってるんですけど、ちょうど来週から屋上でビアガーデンもできるんですよね。(夜だけ、20時まで)でも村民さんたちには、昼間にテラスで日を浴びながら屋上で仕事してもいいよって言ってます。

伊藤:まだまだ会員さん同士のコミュニケーションもできていないので、今後は会員さんのコミュニケーションを活性化させていきたいなと思っています。EZOHUBは新規の募集をしてないんですが、今後どれくらいの会員さんの数が適正なのかを見ていきたいと考えてます。あとはコワーキングの中で「何かに困っている方」「それを助けることのできる方」をつなげていきたいと思っています。

高輪:そうですね。ちょうど次の7月1日で満1周年になります。ずっとコロナの中で運営しているのでなかなかイベントというイベント、人を呼ぶものはすごく難しいですね。ただ、今回緊急事態宣言の中でオンラインでイベントを行ったりはしました。今後、少しずつ少しずつ交流を図っていきたいなと思っているのが今のDRIVEです。

どんなスタッフが働いているの?

長:コミュニティマネージャーの他に働いてらっしゃるスタッフがいると思うんですけど、どんな方が多かったりするんですか?

鈴木:うちは、元々の飲食店で働いてくれてるスタッフに出てもらってます。先ほど話したのはすすきの村の話なんですけど、実は札幌駅の目の前のTRビルでももう1つの村、札幌村をやっています。そっちはなんと、村民自身が村長として運営しているんですよ。

伊藤:すごく面白いですね!良い形。

鈴木:どうせ閉めてるんならおれ開けて良いですか?って言ってくれたんですよ。その発想は僕にもなかったです。今は完全に任せちゃってます。

伊藤:実はスタッフいないんですよね。そうなるとコミュニケーションの回数が減っちゃうのが今後の課題なので、別の形で仕組み整えてやっていきたいなと思っています。

長:DRIVEさんは逆にいつもスタッフさんがいるイメージだとは思うんですけどスタッフさんの方は学生さんなんですかね?

高輪:そうですね。DRIVEの体制は、コミュニティマネージャ―が2人(高輪さんがメイン)と大学生のコミュニティスタッフのアルバイトが6名。これもDRIVEの1つの魅力だと思うんですけど、その大学生6名の個性が強くて。VRに特化している方、デザイナーの方、歌がうまい方。本当に個性豊かな面々がそろっています。それだけ素敵なメンバーがそろったことによって、会員さんからしても「この学生面白いな」と言ってどんどんつながっていけるのはDRIVEの大きな魅力かなと思いました。

コミュニティマネージャーを紐解く!

コミュニティマネージャーになったきっかけ

長:コミュニティマネージャーになるきっかけって何だったんですか?高輪さんからお願いします。

高輪:私、前職でWeWorkというコワーキングの会社におりまして、当時はマーケティングのチームにいたんですけど、コミュニティマネージャーのことは間近で見ていたんです。その後、色々転職を繰り返している時にたまたま株式会社大人の代表の五十嵐とお会いすることがあって。その時にDRIVEの話を聞いて、すぐに東京で勤めていた会社を辞めました。その後、今年の3月に北海道に戻ってきてDRIVEでコミュニティマネージャーをやらしていただいているという感じです。

伊藤:サツドラでEZOHUBができるっていうタイミングで(サツドラHD社長の)富山さんからやらないかとお声がけしていただいたのがきっかけです。基本知らないことをやりたいタイプなので「ぜひ!」とお答えして、今やらせていただいているという感じですね。

鈴木:僕は元々コミュニティマネージャーをやりたかったわけじゃないんです(笑)。コロナになった2020年の6月で会社をたたもうと思ったんですね。うちは宴会やパーティーで人が沢山集まれる立地の良い大きなお店だったので、コロナの打撃がモロにヒットして。まずはスタッフを集めてミーティングをしました。その時にネタで「俺はここに住む!」って言ったんですよ。そしたら「じゃあ俺も住みます!」って言ってくれる社員がいて。僕だけだったら家賃100万だったのが2人なら1人50万になる。ってことは冷静に考えて、1人1万でこの場所を自由に使えるようにしたら、うちも生き延びることができるんじゃないか?そんな流れで僕は村長をやることになりました。

長:皆さん本当に面白いストーリー…!

理想と現実のギャップ

長:実際コワーキングを運営してみたら想定と違ったなと思われることってありますか?

鈴木:バーテンダーの仕事とあんま変わんないなーって気付きましたね。バーテンダーを通じてお客さん同士が共通の会話をする。海外のコワーキングとかだとお客さん同士勝手に喋り出すらしいんですけど、それって日本人きついじゃないですか?やっぱりいい意味で空気を読むっていう文化なので。だから僕は村長として、お客さん同士をバーテンダーのように繋いでいます。

伊藤:EZOHUBでやってみて、黙々と作業される会員さんの方が圧倒的に多いという印象を感じてますね。でも、多分雑談をしたい気持ちって本当はあるとは思うんです。ちょっと休みたいときとか人と話したいときの雑談。なので雑談をもっと増やしていきたいなと思っています。

ぶっちゃけ!新しく増えてきたコワーキングスペースについてどう思う?

長:結構ぶっちゃけた質問ですけど、札幌に新しくコワーキングが増えることに関してはどう思うんですか?

鈴木:僕達と同じように飲食で苦しんでいる方が全国にはいる中で、僕たちが1つのロールモデルになればいいなって思ってるんですよね。なので自分が蓄積してきたものを全国の飲食店の方に伝えながら、組んでやっていこうと思っていて。今旭川に旭川村っていうのを作っているんですよね。札幌の村民が旭川に行った時には旭川村を、旭川の村民が札幌に来ても使える。これを全国に広げていけたらおもしろいなと。

伊藤:コワーキングスペースが増えるのはすごい良いことだと思っています。北海道はこれから人口が減って行きます。なので、コワーキング単体で利益を出していく形ではなく、コワーキングが北海道全体、札幌全体をデザインしていけるようになったら良いなと思っています。コワーキング全体として大きく北海道の課題解決をやっていけるコミュニティができたらいいなって思ってます。

高輪:コワーキングスペースがどんどん増えていくことはすごい喜ばしいことだなと思ってます。ただコワーキングスペースがどんどん出来たとしてもそこに入る人は少ない。WeWorkに勤めてた時は大企業の一部署が入ってくることもありました。例えばマーケティング部署だけ、新規事業部署だけのように。これによって、「じゃあこういうことしてみようよ」っていうイノベーションが生まれていく場面を見ていたので札幌もそういう動きがあればいいですね。

コミュニティマネージャーが抱く理想像とは?

長:コワーキングスペースの見本だったり憧れはあったりするんですか?

伊藤:鈴木さんはすごく参考にさせていただいています、村民の方とのかかわり方とか、すごい見本になるなっていつも思ってますね。

鈴木:特殊だからね、うち(笑)。

鈴木:僕は全国を回ったときに出会った京都のCollabo Earth E9さん(https://collabo-office-e9.com/)がすごいわ…!となりましたね。空気感の作り方が面白い。コワーキングの中に関西の変なおばちゃんみたいな人がいるんですよ。こういう人が大事だよなって思って。お節介してくれる人。ちょうどいいお節介があると助かる。僕はお節介するのが好きなんでそういう空間を作っていくと思ってます。

札幌のコワーキングスペースの未来

構想をぶっちゃける

長:自分たちのコワーキングスペースの構想とか、こんな風に広がっていったらいいなっていう妄想とかってありますか?

鈴木:飲食店とコワーキングの相性をもっともっと追求できるんじゃないかなと思っているのと、あと、リアルな村もやりたくなってきたんですよ(笑)。毎週、とある場所に通いながら着々とやっていますよ、秘密の企画をね。

伊藤:地域のあらゆるヒト、モノ、コトを繋いで、EZOHUBを新しいものを生み出したり、いろんな方が集まれる場所にしていきたいなって思ってます。地域の方々がつながれる場所をEZOHUBは体現していきたいなと思っています。

高輪:DRIVEが札幌・北海道のアイデア、新しいことをするときの起点であればいいなと思っています。そしてDRIVEで「繋がる、生まれる、加速する」が実現できればなって考えています。

コワーキングスペースでのマッチングの可能性

長:コワーキングスペース内でマッチングした人同士で何かが生まれたりすることはあるんですか?

鈴木:すすきのエールっていうクラフトビールがesから生まれました。飲食やってる仲間うちで、すすきの復活の象徴となるようなビールを作りたいと言う話になりまして。ミーティングしながらクラファンのページ作って、広告担ってくれる方がプレスリリース、デザインはデザイナーの方。そうやって1つのものが生まれるのはワクワクします。「よし今日は企画会議しましょ」って感じじゃなくて、気付いたら生まれてますしね。

高輪:つい先日、DRIVEの会員の若手起業家の方がTwitterで「この5つの事業がDRIVEから生まれました!」って書いてくれていて。個人的にすごく嬉しいなと思いますし、場としてそういう風に動かしてくれるのはすごく素敵なことだなと思いますね。

長:自分たちが把握していなくても、気付いたら生まれてる状態はコミュニティとしてすごい良い流れなんじゃないかと思います。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

es Village、EZOHUB SAPPORO、SAPPORO Incubation Hub DRIVE。

それぞれのコワーキングスペースの多種多様な魅力。そんな場を統括する「カッコいい大人代表」のコミュニティマネージャー達。

札幌はこれから大きく羽ばたくのかもしれない…。

本気でそんなことを感じさせてくれた1時間半でした!

今回記事に書くことのできなかった深~い話が沢山ありますので、少しでも気になる方はFacebookのアーカイブ動画をチェックしてみてください!

https://fb.watch/v/134YODsyz/

今後も札幌シゴト図鑑43°ではイベントを開催していくのでお楽しみに!!!

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